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2冊の本より

最近読んだ本の中で印象に残った部分のメモです。

少し前に読んだ大平光代さんの本に載っていた岩元綾さんのご両親が書かれた本、
“走り来(きた)れよ、吾娘(あこ)よ”(岩元甦子+昭雄:著 かもがわ出版)より。

もう1年2ケ月をとうに過ぎてもなかなか靴を履いて外に出られない綾は、ベッドの横に布団を敷いて、そのうえでレコードを聴きながら遊んでいました。遠距離通勤の夫はまだ帰ってこない、夕暮れ時でした。
「あの町この町ひがくれる 日が暮れる いま来たこの道 帰りゃんせー帰りゃんせー」どこか寂しいこの歌に合わせて拍子をとりながら、夕暮れのベランダの外に目をやっている綾をみていると、たまらなく不憫になりました。

「あーちゃん、お芋ごろごろしようか」。ゴロゴロとゆっくり体を転がしてやり、私も一緒に転がると、綾は喜んで大きな声で笑い出しました。時々手や足をくすぐったりするとよけいにきゃっきゃっと笑いながらとてもうれしそうでした。なかなか歩き始めないことだけに気をとられて、このところ、私は綾と心から遊んでやっていない自分に気づきました。
日はとっぷりと暮れて、外はもう暗くなり、いつの間にかレコードも止まっていました。部屋は灯りはつけないままの暗い中で、綾はコロコロと笑い続けました。子どもにとって母親というものは、こんなにも信頼できるもんなのだろうか、暗闇の中で綾の澄んだ笑い声を聞きながら、涙がとめどなくあふれ出てきて止まりませんでした。まだ小さい綾にでも涙は見せまいと、私はなおも灯りをつけようとはしませんでした。(P23~25)

(中略)たくさんの涙を流してしまうと、人は強くなるものなのでしょうか。私は以前よりくよくよする時間が少なくなりました。すると時も早く過ぎ、梅雨が明けて暑い夏が来たときには、綾もいつの間にか、家の中をよちよちと歩き廻っていました。

私たちの子育ての原点は常に、この“どの子も育つ”にありました。どんな子でも必ず伸びる力を持っているのだと信じることでした。(P26)

やがて二度目の冬を、風邪を引いてよく吐きながらもどうにか越すと、春四月、綾は二歳の誕生日を迎えました。色が白く弱々しいのに、まん丸な顔になぜか頬だけは赤く健康そうに見えました。やわらかい春の日差しの中で、赤いブーツを履いた綾は嬉しそうにきゃっきゃっと笑っていました。
「あーちゃん、さあ、おいで」
両手を広げると、綾はまた声をたてて笑いながら私の腕の中に駆け込んできました。長い間待っていた瞬間でした。綾の赤いほほに、私のほほを思いっきりくっつけながら抱きしめていました。
綾の育ちのように、私もまた緩やかに綾を育てる喜びを感じ始めていました。(P28~29)


もう一冊、
“今日を生きる”(大平光代:著 中央公論新社)より
親は、子供に怪我をさせることを恐れてはいけないと思うんです。少しけがをしてこそ痛みもわかるし、こうするとこんな怪我をするのか、と学べる。事前に止めてしまうと、危ないことは頭の中でしかわからなし、経験しないうちからあきらめる子になってしまう。木に実がなっていても採る努力を放棄し、「なぜとらないの?」と聞かれると「どうせってもおいしくないからと動かないような子に…。
社会に出て営業の仕事についた人が、「どうせ努力したかて契約してくれはらへんわ」と言っていたら、仕事なんか成り立ちません。それで、上司に叱られると「もう会社辞める」と言い出し、挙句の果てには「社会に出たくない」と引きこもってしまうことにもなりかねない。そうなる理由の一つは、幼いころの経験がたりないと思います。ですから、子供にはいろいろ経験させ、親は手を出さずに見守ることが大切。根気がいる作業ですし、時間もかかる。自分がやった方が早いとイラつくこともあるでしょう。でも、じっと待ってあげてほしい。「自分のため」ではない、「子供の為」の選択を繰り返しながら、適切な時期に、親としてしなければならないことをしていきたいですね。大きくなってから幼いころに戻って育て直しをしたいと思って、それは絶対できないことですから。(P57~58)

いつもニコニコ顔で、それこそ“いい親”を演じ続ける必要はないですよ。ムカッときたら「お母さんは怒っているぞ」オーラを小出しにしていく方が、親の側もストレスがたまりません。だけど、親が大変だからといって手がかからにように、いたずらもさせず、いい子でいることを強要するというのでは、子供の成長を阻害すると思います。(P86)

大人たちが子供に、手のかからない“いい子”でいることを押し付けることからも、後々問題が生じがちです。意外に思われるかもしれませんが、少年事件を起こしたこともたちは、幼いころから親の言うことを素直に聞いてきたような、いい子が少なくないんです
いい子たちは、親の言うとおりに、あるいは望むとおりにしていると、親が自分を認めてくれるので、演じ続けているだけ。

いい子たちのもう一つの特徴は、自分で考えたり、判断したりすることができない、ということ。知識はあっても、幼い時から親が敷いたレールの上をずっと走ってきたから、自分の意志で何かを選び取る訓練ができていない。私は、悠に絵本を見せて読み聞かせをするとき、二冊並べて「どっちにする?」と選ばせることから始めました。(中略)ただ、子供に自分で選択させようと思えば、基本的には待つことが肝要です。親がさっさと決めて子供に押し付けるほうが、どんなに楽かしれません。でもそれでは子供の思考力や判断力は、いつまでたっても育ちませんよね。自分で考え、自分の意志で決められる子供を育てるためには、答えをせかさないことです。これには親の側にかなりの忍耐力が入ります。(P87)

「あれを買って」とねだられると、欲しい理由を聞くことや、本当に必要なものなのかどうかを検討することもなく、買い与える。かわいい子だから、我慢させるのはかわいそうだという思いなのでしょうが、こういう甘やかしが子供をダメにするんですね。(P90)
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プロフィール

 hiromisa

Author: hiromisa
関東在住。
・夫(ジョニー)
・私(hiromisa)
・娘(coco)…2008年7月31日生まれ
の3人暮らし。
coco(娘)は先天性心室中隔欠損症をもって生まれ、2009年2月2日に心内修復手術(心室中隔欠損孔パッチ閉鎖)を受けました。

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